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見積もりオーバーをチャンスに変える!― 工務店・建築士のための“追加見積もり”完全攻略 ―

  • 執筆者の写真: 純 小池
    純 小池
  • 4月29日
  • 読了時間: 3分

はじめに


追加見積もりを提示した瞬間に──


「聞いてない!」「払えない!割引して!」


……とクレームに発展した経験はありませんか?


実はその“炎上”のほとんどは 契約直後の一言不足 と 見積もり提示の順番 が原因です。


1.追加見積もりが絶対に発生する3つの理由

原因

解説

① 実施設計で“施主の頭脳”が急成長

細部を詰めるほど施主の知識とこだわりがUPし、変更要望が増える。

② 本気モードが予算意識を鈍らせる

理想を語るフェーズなので“金額感覚”が一時的に薄れる。

③ プロの提案が想像を膨らませる

担当者の提案が刺激となり「もっと良くしたい」が連鎖する。

Point追加見積もりは避けられません。“発生しない会社”を演出するより、発生のメカニズムを説明できる会社の方が最終的に信頼されます。

2.契約直後に必ず伝える2つの宣言


  1. 「実施設計中は追加要望が“当たり前”に出ます」


  2. 「要望は全部聞き取り、最後にまとめて追加見積もりを提示します」


★ なぜ“契約直後”なのか?


  • 施主は達成感と高揚感がピークで、前向きにルールを受け入れやすい。


  • 契約前に言うと「追加が多そうな会社は嫌だ」とネガティブに取られるリスク大。


3.毎回見積もり vs 一括提示 ― 推奨は“ワンショット”方式

比較項目

毎回提示方式

一括提示方式(推奨)

施主の判断軸

その場の気分・情報量でブレる

全要望&全金額が見えるので優先順位を冷静に決定

手戻り

高い(都度図面修正)

低い(最終形を先に確定)

怒りポイント

「毎回金額増える!」

「最終金額は高いが納得して削れる」

スタッフ負荷

積算・設計が常にバタバタ

まとめて作業でき効率◎

4.追加見積もり提示【4ステップ・プロセス】


STEP1 施主と一緒に優先順位を再設定


  • 「絶対残す/残したい/削ってOK」の3分類


  • プロは“熱量”を感じた項目を必ず質問補助


STEP2 金額を見て判断


  • 優先順位表に追加コストを記入 → 下位は即 CD(コストダウン=削除)


STEP3 VA提案で価値は守りつつ減額


  • 例:海外フローリング → 国産複合挽板


  • VA≠CD を必ず説明(価値を落とさない差替え)


STEP4 第三者目線チェックを依頼

「あなたが施主でなかったら、この仕様を勧めますか?」 テンションが下がりがちな見積もり調整期に、冷静な再評価を促進。

5.“担当者の個人意見”が効くワケ


私が建てるならキッチンより断熱を優先します。理由は…」

  • “会社の都合” ではなく “一人の建築人としての本音” *


    → 施主の不安を劇的に軽減→ 担当者へのパーソナル信頼が上がり、値段交渉がスムーズに


6.NG対応5選 ― これが解約&炎上の火種だ!


  1. 契約前に追加の話をする/しないのバランスミス


  2. 毎回の打合せで金額提示し、判断を急かす


  3. VAとCDを混同し「安い方が良いですよ」とだけ説明


  4. “営業成績”のために施主のこだわりを強引に残す


  5. 調整期間中に担当者の温度が下がる(施主は敏感!)


7.まとめ | 見積もりオーバー=“提案力”を示す最大の舞台


  • 追加見積もりは 説明とタイミング 次第で信頼ツールになる。


  • 契約直後の宣言 → 一括提示方式 → 4ステップ調整 をルーティン化。


  • VA提案+個人意見 を添えることで、施主満足と利益を両立。


打合せ前にスマホで確認 → 施主との会話がブレない!

もっと学びたい方へ

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「解約率を下げたい」「VAの引き出しを増やしたい」という工務店様はお気軽にご相談ください。

これで「聞いてない!割引して!」と言われない。


追加見積もりを“顧客満足アップ”と“利益確保”の両輪に変えていきましょう!

 
 
 

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