建築プロ必見!工務店が知っておくべき「12のこだわりポイント」でデザイン力をアップする方法
- 純 小池
- 4月3日
- 読了時間: 5分
建築のプロや工務店が、住宅や建物の「デザイン力」をワンランク上げるにはどうすればいいでしょうか。
大きな外観・内観の設計だけでなく、細かな部分まで意識することで**「なんだか完成度が高い」**と思われる上質な仕上がりになります。
本記事では、外観・内観・サービス接客の3カテゴリーに分けて「12のこだわりポイント」をご紹介。
工務店としてのデザイン力を向上させ、お客様からも高評価を得られる方法をまとめました。
目次
はじめに:細部へのこだわりが完成度を左右する
外観デザインを向上させる4つのポイント
屋根材
縦樋・横樋
ベントキャップ(換気フード)
笠木・水切り
内観デザインを仕上げる4つのポイント
内部ドア(室内ドア)
照明計画
アクセサリー(タオルバー・物干しなど)
火災報知器
サービス・接客で差がつく4つのポイント
お客様の要望と“サービス”のズレ
標準仕様の提案方法
商品知識・メーカー調査
コンサルタント的ヒアリング
まとめ:細かなこだわりの積み重ねがデザインの総合力をアップ
1. はじめに:細部へのこだわりが完成度を左右する
工務店として建築のプロである以上、外壁や間取りなど“大きな要素”のデザインは当然意識します。
しかし、「なんとなく期待ほど仕上がらない」「小さい部分のせいで残念な印象」というトラブルも少なくありません。
実は、この**「なんかイマイチ…」というモヤモヤは、細部をおろそかにしたことが大半の原因。逆に、小さなポイントまで配慮することで、お客様が「この工務店は違う!」**と思う満足度の高い住宅を提供できます。
2. 外観デザインを向上させる4つのポイント
(1) 屋根材
屋根材の性能や耐久性だけでなく、色や素材感を外壁・サッシ・樋などとトータルに整えるのが大切です。
屋根の色 × 外壁の色 × サッシの色 … それぞれのバランス
勾配・軒の出も合わせて、全体のフォルムを整合させる
屋根と外壁がチグハグだと、一気にデザインの完成度が下がるため要注意。
(2) 縦樋・横樋
いわゆる雨樋。つい見落としがちですが、下記を意識するだけでも印象が変わります。
正面ファサードからはなるべく見せない
屋根や外壁との色を揃え、存在感を薄める
メーカーによってはデザイン性の高い樋があるので、検討してみる
(3) ベントキャップ(換気フード)
換気扇やガス排気などのベントキャップを、正面や人目に立つ側に乱立させていませんか?
できれば見えにくい面にまとめる
サイズ・形状・色をそろえ、外観の雑然感をなくす
(4) 笠木・水切り
バルコニーや腰壁の上部に付く笠木・水切りも、標準品そのままでは浮いてしまうケースがあります。
外壁色や雰囲気に合ったオプションを選ぶ
ほんの数万円の違いが、外観のイメージを大きく左右
3. 内観デザインを仕上げる4つのポイント
(5) 内部ドア(室内ドア)
工務店がよくやりがちな「LDKだけ高級ガラス入りドアを標準にする」といった“サービス”も、お客様のテイストと合わなければ逆効果。
家全体のテイスト(シンプルモダン or アンティーク etc.)に合うドアを選ぶ
柄や色も含め、こだわりの内観を邪魔しないかチェック
神谷コーポレーションなど、複数メーカーをしっかり調査し、最適な商品を提案できるかが差別化のカギ。
(6) 照明計画
天井を板張りにしても、ダウンライトの枠が真っ白なら一気に浮いてしまいます。
天井の色・素材感に合わせて照明器具を変更
必要に応じて黒やグレーのダウンライトを検討
壁付けブラケットや完成照明を使うなど、天井を“素”で見せる設計もアリ
コンセントやスイッチも同様に、天井・壁の色合いと統一感を持たせると内観が整います。
(7) アクセサリー(タオルバー・物干しなど)
タオルバー・トイレットペーパーホルダー・室内物干しなどの小物を一括で揃えてトータルデザインを整えましょう。
川口技研・ユニオン・森田アルミ工業など多様なメーカーから選択
色・質感を統一し、メインの空間と馴染ませる
(8) 火災報知器
必要だからといって、すべてを標準の白い報知器で統一していませんか?
壁や天井が色付きなら、なるべく目立たぬよう位置や色を工夫
駅舎などで使われている黒やグレー系のモデルもあり
「どうせ必要なものほど、デザインを考えて配置する」のがプロの仕事です。
4. サービス・接客で差がつく4つのポイント
(9) お客様の要望と“サービス”のズレ
「豪華なドアを標準にしています」といった押し付けの善意は、お客様の希望するスタイルと噛み合わない場合が。
しっかりヒアリングして、本当に喜ばれる提案かを確認しましょう。
(10) 標準仕様の提案方法
「これがうちの標準なんです」と言うだけでは、お客様は納得しづらいもの。
どうしてその仕様を標準としているのか、性能・デザイン・コスパなど具体的に説明するのが大切です。
(11) 商品知識・メーカー調査
神谷コーポレーション・川口技研・ユニオン・森田アルミ工業…etc.工務店が「知らない」「調べていない」となると信頼感が下がります。
常にトレンド・各社の新商品をウォッチし、提案の幅を広げましょう。
(12) コンサルタント的ヒアリング
デザインを上げるには、「お客様の好み×専門的なアドバイス」を総合して構築する必要があります。
まるでコンサルタントのように丁寧にヒアリングし、全体のテイスト・素材感・色合いを整えてこそ、洗練された家づくりが可能に。
5. まとめ:細かなこだわりの積み重ねがデザインの総合力をアップ
屋根材・樋・ベントキャップなど外観の微調整
些細なパーツまで外壁・屋根色に合わせ、雑然感を防ぐ
内部ドア・照明・アクセサリー・火災報知器など内観の仕上げ
壁や天井の仕上げと“ちぐはぐ”にならないように注意
接客・サービス姿勢の向上
お客様の要望やテイストを的確に把握し、本当に必要なオプションや製品を勧める
たったこれだけのこだわりでも、施主様の満足度は大きく変わります。とくに建築のプロ・工務店ほど「細部」をサッと見逃しがちですが、小さな要素の積み重ねこそが家全体の完成度を左右するのです。
「自社の標準仕様だから…」 ではなく、細部まで学んで提案する姿勢が、これからの建築プロには不可欠。ぜひ今回の12項目を見直して、他社との差別化を図りましょう!


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