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工務店・建築のプロ必見!実はお得な「5つの土地」活用術 ~不動産業者が気づかない建築目線の提案ポイント~

  • 執筆者の写真: 純 小池
    純 小池
  • 3月11日
  • 読了時間: 7分

はじめに

工務店や建築のプロとして、お客様から「良い土地はありませんか?」と聞かれる場面は多いのではないでしょうか。


多くの方は“駅近”や“南側道路”などを優先しがちですが、実は建築的な観点から見ると“隠れたお得土地”が存在します。


本記事では、不動産会社が推す一般的な条件とは異なるものの、建築のプロだからこそ提案できる「実はお得な土地」5選をご紹介します。


お客様の要望を満たしつつ、工務店としての信頼度・契約率アップにつなげるヒントになれば幸いです。


1. 北側道路の土地


一般的に嫌われがちな理由


  • 南側からの日当たりが確保しにくい


  • 資産価値が低いと思われがち


建築のプロが提案できるメリット


  1. 北側斜線・高度地区の緩和


    一般に「南側道路」の敷地では、北側からの斜線制限が厳しく、思うように建物の高さやボリュームが取りづらいことがあります。


  2. 一方「北側道路」の場合は、北側斜線が道路の反対側から適用されるケースが多く、建物の高さや延べ床面積を大きくとりやすくなります。


  3. 日当たりは間取り次第で確保可能


    南側に隣家が迫っていても、スキップフロアや吹き抜け、トップライト等の設計手法で採光を確保できます。


    北側道路だからNGではなく、設計力で十分カバーできる点を強調しましょう。


  4. 価格が抑えめ


    一般的に人気が低い分、土地の価格が安めに設定される傾向があります。


    同じ予算でも、北側道路のほうが広めの敷地や自由度の高いプランを実現しやすい可能性があります。


提案のコツ


  • 「北側道路は暗い」という固定観念を払拭し、斜線緩和や価格メリットを具体的に説明する。


  • 自社の設計ノウハウや事例を示し、採光・通風を確保したプランを提示する。


2. 高低差のある土地(道路より高い土地)


一般的に敬遠されがちな理由


  • 擁壁や造成工事など、追加コストが発生しやすい


  • バリアフリー面でのハードルがある


建築のプロが提案できるメリット


  1. 地下部分を有効活用(ビルトインガレージ等)


    高低差を利用すれば、地下車庫扱いでビルトインガレージを設計可能。


    たとえば、


    • 車好きなお客様には、愛車を雨や日差しから守れる“ハイクオリティ車庫”。


    • 地下扱いにすることで、延べ床面積や建ぺい率における緩和を狙える場合も。


  2. 防音スタジオやセキュリティ強化


    • 音楽好きの方なら、地下に防音室を設けると外部へ音が漏れにくくなります。


    • 高所得者層やセキュリティ重視の方には、道路面と高低差があることで、外部から侵入されにくいという防犯面でのメリットを訴求できます。


  3. 価格が比較的安いことも多い


    「造成が大変」と思われる分、地価が抑えられるケースがあります。その分を建物のグレードアップに回せます。


提案のコツ


  • 造成費用の目安や具体的な施工プランを事前に示し、追加コストとメリットのバランスを分かりやすく伝える。


  • こうした土地ならではの**“高低差を活かしたプラン”の事例**があるとなお効果的。


3. 準防火地域・防火地域の土地


一般的に嫌われがちな理由


  • 「準防火仕様・対価仕様で建物コストが上がる」というイメージ


  • 木造での建築は大変という誤解


建築のプロが提案できるメリット


  1. 建ぺい率が10%上乗せされる可能性


    準防火地域や防火地域で**“純耐火建築物”あるいは“耐火建築物”**と認定されると、建ぺい率が10%緩和される制度があります。


    これにより、


    • より大きな延べ床面積を確保できる。


    • 三階建てなどの設計にも取り組みやすい。


  2. 都市部の利便性が高いエリアに多い


    準防火・防火地域は駅近や都市部に指定されていることが多く、利便性の良さを好むお客様にとって魅力です。


  3. 実は木造耐火建築も可能


    “木造は危ない”という誤解が広がっていますが、適切な設計と施工を行えば、安全性を損なうことなく木造でも建築可能です。


提案のコツ


  • 「木造耐火=高コスト・危険」という誤解を解消しつつ、建ぺい率緩和の具体的メリットを提示する。


  • 施主にとっての立地メリット(駅近で売却時にも強い等)を強調する。


4. 不整形地


一般的に敬遠されがちな理由


  • 「四角い土地」よりも間取りが組みにくいイメージ


  • 資産価値も低いと思われがち


建築のプロが提案できるメリット


  1. 価格が割安になりやすい


    周辺の整形地に比べ、不整形地は価格が下がる傾向があります。


    同じ予算でも土地面積が広めだったり、駅に近い割にお得だったりするケースが多いです。


  2. 設計の自由度をアピールできる


    建築のプロである私たちだからこそ、不整形な部分を活かした独創的な間取りや魅力的な外観を提案できます。


    一般的な住宅とは違った“オンリーワン”設計に強みを持てます。


  3. 隠れた付加価値創出


    変形部分を中庭や駐車スペース、デッキなどに活用し、暮らしを豊かにする空間づくりを狙えます。


    「余白」を上手に生かせば、不整形地ならではの面白いプランが可能です。


提案のコツ


  • 整形地にこだわらず、不整形地も選択肢に入れてみては? と促し、実際のプランニング例や成功事例を見せる。


  • 「土地価格を抑えて、その分建物に予算を割ける」といった費用配分メリットを具体的に示す。


5. 再開発予定の土地


一般的に敬遠されがちな理由


  • いずれ再開発で立ち退きを迫られるかもしれない


  • 候補地になると資産として不安というイメージ


建築のプロが提案できるメリット


  1. 再開発時の補償金に期待できる


    再開発が決定した場合、自治体や公的機関から土地・建物に対する補償金が支払われるケースがあります。


    購入時の金額より有利な条件で買い取られる可能性も。


  2. 再開発のスケジュールは先が長い場合も多い


    10年、20年、あるいは延期が繰り返されて再開発が実施されないままという事例も珍しくありません。


    お客様が住み替えを考える頃には、再開発自体が行われないケースも十分あり得ます。


  3. 都市機能の向上に伴う地価上昇


    再開発エリアは周辺整備が充実するため、周辺の利便性向上や地価上昇が見込まれる場合もあります。


    結果的に資産価値アップにつながることも。


提案のコツ


  • 再開発のタイムラインを具体的に調べ、お客様に事前共有する。


  • 万一再開発が実施される際、しっかりとした補償制度があることを説明し、不安を払拭する。


  • 住み替えやリフォームなど、長期的なサポート体制があることをアピールしておく。


まとめ:建築プロならではの視点が信頼につながる


「駅近・南側道路・整形地」のような分かりやすい条件だけが、必ずしもお客様にとってベストな土地とは限りません。


建築のプロだからこそ分かる“本当にお得な土地”のメリットをしっかりとお客様に伝え、


  • 希望条件に合致しづらい場合でも別の視点から提案


  • 価格を抑えて建物や暮らしの質を向上


  • 将来の拡張やリフォーム、資産価値のアップにも対応


といった形で導いてあげることが重要です。


さらに、契約後のアフターメンテナンスや定期的なフォローを丁寧に行うことで、お客様からの信頼は格段に高まります。


今後のステップ


  1. 情報を整理し、社内で共有


    営業担当・設計担当・現場管理担当など、社内全員が同じ情報を共有できる仕組みを作りましょう。


  2. 自社の施工事例や間取り事例を見直す


    「北側道路でも明るいプラン事例」「不整形地を逆手にとった面白いレイアウト」など、具体的なイメージを社内外に示せるようまとめましょう。


  3. 見込み客への情報発信


    SNSやブログ、チラシなどで、**一般には知られていない“お得な土地の選び方”**を積極的に発信することで、工務店・建築プロとしての専門性をアピールできます。


さらに知識を深めたい方へ


  • 無料資料やセミナー


    特殊な敷地の活かし方・法的緩和の活用術・建築費の最適化など、継続的に学べるコンテンツを社内やオンラインで取り入れてみてください。


  • コンサルティングサービスの活用


    建築コンサルタントから最新の情報や提案ノウハウを得るのも一つの手です。自社に足りない視点を補い、お客様への提案力を強化しましょう。


おわりに


不動産会社が重視する条件だけでは測れない“土地の真の価値”を、建築のプロが正しく見極めて提案することで、お客様からの信頼度は大きく高まります。


こうしたメリットを示しながら、「理想の暮らし」を形にするお手伝いができるのは私たち工務店・建築のプロの醍醐味です。


ぜひ本記事を参考に、お客様にとって最適な土地選び・家づくりのパートナーとしてご活躍ください。

 
 
 

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