工務店が知っておくべき室内ドアのポイントと失敗しないための対策!
- 純 小池
- 2月11日
- 読了時間: 4分
住宅の設計・施工を手がける工務店にとって、室内ドアの選定は重要なポイントの一つです。
お客様の要望が多様化し、標準仕様では満足できないケースも増えている今、適切な提案を行うために必要な知識を整理しましょう。
1. 室内ドアの種類と特徴
室内ドアにはさまざまな種類があり、それぞれの特性を理解することが提案の幅を広げます。以下に代表的な室内ドアを紹介します。
① 引き戸(スライドドア)
特徴
スペースを取らずに開閉できるため、バリアフリー設計に適している。
高齢者や子どもでも扱いやすい。
間仕切りとしても活用でき、開放感を演出できる。
注意点
施工精度が低いとスムーズな開閉ができなくなる。
上吊りタイプと下レールタイプがあり、用途によって選定が必要。
② 開き戸(ヒンジドア)
特徴
一般的な室内ドアで施工しやすい。
気密性が高く、遮音性も確保しやすい。
注意点
開き方向の選定ミスが多い(壁やスイッチと干渉する)。
扉を開けるスペースが必要なため、狭い空間には向かない。
③ ガラスドア
特徴
開放感を演出でき、視線を通しながら空間を仕切れる。
インダストリアルデザインやモダンな住宅に適している。
注意点
プライバシーが確保しにくいため、使用場所を考慮する必要がある。
強化ガラスを使用しないと安全面で問題が生じる可能性がある。
④ 障子(和室向け)
特徴
和モダンデザインの住宅に適している。
採光を取り入れながら柔らかい光を演出できる。
注意点
紙素材のため破損しやすく、定期的な張り替えが必要。
防音性が低い。
⑤ 襖(和風住宅向け)
特徴
軽量で開閉がスムーズ。
柄やデザインのバリエーションが豊富で、カスタマイズが可能。
注意点
防音性や耐久性は一般的なドアに比べて劣る。
⑥ フラッシュドア(標準仕様の一般的なドア)
特徴
軽量で価格が安く、コストパフォーマンスが高い。
デザインやカラーのバリエーションが豊富。
注意点
高級感には欠けるため、デザイン重視のお客様には不向き。
強度が低いため、衝撃に弱い。
2. 室内ドアと動線計画の関係
室内ドアの種類を選定する際、間取りとの関係を考慮しなければなりません。
特に以下のポイントを意識すると、施工ミスやクレームを防ぐことができます。
① 扉の開閉方向
施工後に「扉の開き方向が悪い」という問題が発生することがあります。
特に注意すべきなのが以下の点です。
スイッチやコンセントとの干渉
→ 扉を開けたときにスイッチが隠れないように配置を検討する。
人の通行を妨げる開き方
→ 廊下や狭いスペースで開き戸を使用するときは、開閉時の動線を確認する。
② 収納扉の必要性
クローゼットやシューズクロークの扉は本当に必要か、お客様と確認しましょう。
オープン収納を提案するとコストダウンになる
お客様のライフスタイルに応じて不要な扉を省くとスッキリしたデザインになる
③ 扉と扉の干渉
2つの扉が同時に開くと干渉するケースは要注意。
トイレや洗面所など狭い空間では特に確認が必要。
3. 室内ドアの設計ミスを防ぐためのチェックポイント
工務店が室内ドアの計画を行う際、以下のチェックポイントを意識すると施工後のクレームを減らせます。
✅ スイッチ・コンセントの位置を最終確認する
✅ 開き勝手を設計段階で確定し、干渉がないか確認する
✅ 収納扉の必要性をお客様と話し合う
✅ デザインだけでなく、使いやすさも考慮する
✅ バリアフリーや将来のライフスタイルの変化を考慮する
4. お客様への提案力を高めるために
最近の住宅は、標準仕様のドアでは満足できないお客様も増えています。
デザインや機能性、空間との調和を考えた提案をすることで、顧客満足度を高めることができます。
デザイン重視のお客様 → ガラスドアやカマチドアを提案
和風テイストを求めるお客様 → 障子や襖を活用
機能性を重視するお客様 → 引き戸やフラッシュドアを採用
お客様との打ち合わせの際、「こういう扉もありますよ」と具体的な提案をすることで、「この担当者は信頼できる」と感じてもらえます。
まとめ
室内ドアは単なる仕切りではなく、動線や空間デザインに大きく関わる重要な要素です。
工務店として、以下のポイントを押さえておくことで、より良い提案ができるようになります。
🔹 室内ドアの種類と特徴を理解する
🔹 動線計画を考慮したドア選びをする
🔹 スイッチ・コンセントとの干渉を防ぐ
🔹 お客様の要望に応じた適切な提案を行う
お客様の満足度を高めるために、日々の設計業務で室内ドアの選定にも気を配っていきましょう!


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