工事開始後の「現場チェック」はお客様と一緒に!その3つのメリットと具体的な手順
- 純 小池
- 4月3日
- 読了時間: 4分
「建築工事が始まったら、あとはプロが管理すればOK」と考えていませんか?
実は、工事開始後の段階でお客様といっしょに“現場チェック”をすることは、想像以上に大きなメリットをもたらします。
特に、着工直後の「配置確認」を共同で行うだけでも、後々のトラブルやクレームを大幅に回避できるのです。
本記事では、工務店や建築のプロが知っておくべき「工事開始後の現場チェック」のポイントと、お客様と一緒に確認する3つのメリットを解説します。
目次
はじめに:現場チェックを“お客様と一緒に”行う理由
工事開始後に押さえたい「配置確認」の3つのメリット
建物の位置を共有し、早期トラブル回避
法律・規制の意味を再確認(民法の離れや建築基準法など)
駐車スペースや道路アプローチを実車でチェック
まとめ:配置確認は細かな行程こそが信頼と満足度を高める
1. はじめに:現場チェックを“お客様と一緒に”行う理由
多くの工務店では、基礎を打った後や上棟後に簡単な進捗報告をする程度のケースが多いかもしれません。
しかし、お客様は 「図面では把握しきれない空間イメージ」 を現地で知りたがっているもの。
そこで、早い段階でお客様に現場へ足を運んでいただき、糸張りや敷地内のレイアウトを確認しつつ「この位置で本当に問題ないか」を共有するのがポイントです。
メリットは「お客様側」だけでなく、「工務店・建築プロ側」にも大きいのが特徴。
後々の大規模な変更やクレームを避けられ、さらには「しっかり確認をしてくれる会社だ」という信頼を獲得できます。
2. 工事開始後に押さえたい「配置確認」の3つのメリット
ここでは、「工事開始後の早い段階」でお客様と行う“配置確認”が生む、具体的な3つのメリットを紹介します。
1) 建物の位置を共有し、早期トラブル回避
糸張りで、周辺環境や隣家との視線も実感できる
お客様は図面だけでは空間を立体的に把握できない
基礎工事後だと「思ったより小さい」「隣家から丸見え…?」と不安が生じやすい
早期の段階(糸張り段階)で「建物の輪郭」や「窓の位置」を実物大で確認すると、隣家や道路など周囲との関係も明確になる
これにより、基礎や上棟後になって「やっぱり配置を動かせないの?」という大きな変更要求が発生するリスクを下げられます。
2) 法律・規制の意味を再確認(民法の離れや建築基準法など)
設計段階で説明していても、改めて「現地で実感」してもらう
民法では、隣地境界と外壁の間を最低50cm以上離す規定がある
建築基準法の車線制限・日影規制などで配置が限定される場合がある
室内同様、敷地内で糸張りされた状態を見ながら「この距離を変えると法的にダメ」「ここをずらすと日影計算が合わない」といった説明がしやすく、お客様が納得しやすいのです。
「なぜこの位置なのか」を実際に確認すれば、後で配置を変更したい…という話が出にくくなります。
3) 駐車スペースや道路アプローチを実車でチェック
早めの「車止めチェック」が安全と満足度をアップ
基礎や材料が入る前なら、お客様の車を実際に敷地へ入れてみることが可能
駐車のしやすさ・隣地との距離感・道路からの出入りなどを実車でテスト
奥様が運転を苦手な場合も、早期に見直せば予想外のクレームやリテイクを避けられる
また、同時に玄関アプローチや屋外からの防犯対策をイメージしながら説明しておくと、完成後の安心感につながります。
3. まとめ:配置確認は細かな行程こそが信頼と満足度を高める
図面・打ち合わせだけで済ますのは、プロの考え方にすぎない
お客様は現地で初めて「ここに建物が建つんだ」と実感する
民法や建築規制など「位置を変えられない」理由も現地で伝える
駐車スペースや窓位置なども「糸張り状態」で共有すれば、大規模な変更リスクが一気に減る
工務店や建築のプロが、“配置確認”をお客様と一緒に行うことは、面倒に感じるかもしれません。
しかし、「大きなトラブルを未然に防ぐ」だけでなく、「しっかり確認してくれる会社だ」と信頼度が上がるなどメリットは大きいのです。
家づくりの成功は、小さな行程とコミュニケーションの積み重ねで決まります。
工事開始後はぜひ、お客様を巻き込んだ現場チェックを積極的に取り入れましょう。
結果的にスムーズな工程と高い顧客満足度が得られ、工務店としての評判アップにつながります。然と高まるはずです。


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