土地探しから契約率アップ!「土地なし顧客」は実は大チャンス ~工務店・建築プロが行うべき4つのポイント~
- 純 小池
- 3月11日
- 読了時間: 6分
はじめに
工務店や建築会社にとって「土地なしのお客様」は、
「土地を探すのは不動産屋の仕事…」
「うちでは対応しきれない…」
「そのまま他社に行かれてしまう…」
と苦手意識を持ちがちです。
しかし実は、“土地なし顧客”こそ契約の大チャンスだとご存じですか?
本記事では、土地なしのお客様をうまくグリップし、契約率を大幅に高める4つのステップを詳しく解説します。
すでに土地を持っているお客様とは違う「土地探し」の段階からアプローチすることで、お客様にとって唯一無二のパートナーとなりましょう。
1. なぜ「土地なし顧客」は大きなチャンスなのか
一般的なお客様の土地探しの流れ
インターネットで検索
SUUMOやアットホームなどで希望エリアの土地情報を調べる。
不動産会社へ相談
気になる土地があれば不動産仲介業者に問い合わせ、現地見学を行う。
“無料間取り・概算見積もり”の提案
不動産会社主導で公務店や住宅会社に仮のプラン作成を依頼 → 参考レベルのプランをお客様に提示
契約へ
銀行ローンが通り、条件が合えばそのまま不動産会社経由で土地を契約 → 建築会社が確定したり、あるいは後から建築会社を再検討するケースも。
“最初に建築プロへ”相談する層は実は少ない
多くのお客様は「まず土地、その後に建物」という順番で動くため、最初から工務店・建築会社に相談するケースは稀です。
しかし、土地なし状態で直接問い合わせてくれるお客様は、建築する気持ちが非常に強く、情報収集に熱心な層といえます。
そんなお客様をしっかりサポートし、グリップできれば、契約確度が一気に高まります。
2. 土地なし顧客をつかむ4つのステップ
土地なしのお客様が来店・問い合わせしてきたら、以下の4ステップを実践してみてください。
ステップ1:土地購入前に「建物のヒアリング」を徹底する
「建物がゴール」であることを再確認
お客様の本当の目的は「土地取得」ではなく「希望通りの家を建てて暮らす」こと。
そこを強調し、建物の条件や予算を先に決める重要性を説きましょう。
細部まで丁寧に要望を聞き取る
家族構成・ライフスタイル
部屋数や動線、デザインの好み
予算・ローンの希望額
将来の増築・リフォーム計画
など、2時間ほどかけてじっくりヒアリングすると「理想の家」のイメージが鮮明になります。
お客様の想定を超えるプランを実感させる
「土地探しが先じゃないの?」と思うお客様もいるので、建物を先に考えるメリットをていねいに説明。
ヒアリングを基に「土地選びに必要な条件(最低面積、形状、予算上限など)」を洗い出します。
こう話すと効果的!
「せっかく土地を買っても、建てたい家が入らなかったら意味がありません。まずは“ご希望通りの家”を形にしてから、土地の条件を逆算して探しましょう。」
ステップ2:仮(参考)となる“土地”を選び、ガチで間取りを作成する
まずはモデルとなる仮想の土地を設定
お客様が希望するエリアの一般的な建ぺい率・容積率を確認
ヒアリング内容から推定される建物規模や予算に合う「仮の土地」をピックアップ
本気度100%で“理想プラン”を作る
「どうせ参考だから…」と手を抜かず、お客様が**「これを建てたい!」と感じるレベル**のプランを提示しましょう。
細部まで作り込むことで、お客様の信頼度は急上昇します。
その家を建てるために必要な土地条件を明確に提示
「建物○○㎡を建てるには最低××㎡の土地面積が必要です」
「日当たりや駐車動線を考えると道路幅○m以上を推奨します」
「予算との兼ね合いで土地代は□□円までがベスト」
など、**“逆算による土地選び”**を強調すると、お客様自身も土地探しの判断基準が明確になります。
ステップ3:逆算思考をお客様の“脳内”に定着させる
「素敵な家」のイメージを焼き付ける
お客様は「ここまで作り込んだプランが手に入るなら、絶対に実現したい!」という気持ちになります。
ここで**「他社では味わえない安心感」**をしっかり訴求しましょう。
「見つけた土地は、まずうちに相談を」
お客様がネットや不動産業者で見つけた土地情報を**「自社へ最初に持ってきてもらう流れ」**を作ります。
「どの土地にするか悩んだら、必ず先にご連絡をください」
「法規制や造成費などをプロ目線でチェックします」
お客様の心理としては「私たちの家をいちばん理解してくれるのはこの会社」という安心感を持つため、何かあれば一番に連絡をしてくれるようになります。
ライバル不動産会社の“参考プラン”との違いをアピール
不動産仲介が作る間取りは“建てられそう”程度が多い
工務店・建築会社として「納得できる仕上がりか、コストは妥当か」を明確に確認できる
この優位性を示すことで、「参考プランを他で見ても結局あなたのプランが一番いい」となるわけです。
ステップ4:継続フォローで“契約まで”伴走する
定期的な連絡・情報共有
お客様がまだ土地を見つけられない期間でも、定期的にフォローしましょう。
メルマガやSNS、ラインなどで物件情報や建築アイデアを発信すると、**「常にサポートしてくれる存在」**と印象づけられます。
土地が見つかったら素早いチェック
候補地の資料や現地の写真、法規制などを即確認。
造成費や水道・ガス・電気の引き込み費用、斜線・日影規制など、建築プロだからこそ見落とせないポイントを早期チェックし、メリット・デメリットを明示します。
契約後のプラン修正に備える
土地が確定したら、ヒアリング済みのプランをベースに微調整を行うだけでスムーズに契約へ。
「手間なく、理想通りの家づくり」を実感してもらいましょう。
3. 実践して分かる“土地なし顧客”攻略のメリット
お客様の信頼度が高い
土地探しの段階からプロ視点で手厚くサポートするため、**「あなただけが味方」**という強い感情が芽生えます。
後戻りリスクが少ない
土地を購入後に「この会社じゃなかった…」と乗り換えられるケースを防ぎ、着工・契約まで自然にスライドする形を作れます。
他社との差別化を図りやすい
不動産会社任せではなく、「最適な土地選び × 理想の住まい」をセットで提供できるのは大きな強みです。
4. まとめ:土地なし顧客こそ“逆算アプローチ”でグリップしよう
「土地を持っていないお客様は苦手…」と敬遠しがちだった方へ
→ 実は土地なし顧客のほうが契約の伸びしろが大きい
まずは建物の要望を深掘りし、「こんな家を建てたい」というゴールを明確にする
参考の土地をベースにガチのプランを提示することで、お客様が「工務店の重要性」を再認識する
逆算アプローチでお客様の“土地探し”をサポートし、他社とは比較にならないほどの信頼を獲得
「土地なしのお客様」は、建築プロのノウハウや提案力をフルに活かせる絶好のチャンスです。しっかりヒアリングし、間取りを“先に”作り込むステップを踏むことで、**“自社で建てたい”**という気持ちを強力に引き出せます。
ぜひ本記事の4ステップを実践し、自社の強みに変えてください!
さらなる情報を知りたい方へ
工務店・建築プロとして、“土地なし顧客”を制するものが家づくりを制す。ぜひ逆算アプローチで、これまで苦手だった「土地なし案件」を得意分野に変えてみてください。


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