コンサルが教える理想的なキッチンの提案のポイント
- 純 小池
- 3月4日
- 読了時間: 4分
キッチンは家の中でも特に重要な空間の一つです。
単なる料理をする場所ではなく、家族のコミュニケーションの場としての役割も担っています。
本記事では、建築プロの皆様が理解しやすい形で、現代のキッチン設計の考え方や、お客様に提案する際のポイントを解説します。
1. キッチンの役割の変化
昔の日本の住宅では、「台所」という言葉が一般的でした。
これは、料理を作る専用の空間であり、家族の中でも主に女性が利用するものでした。
しかし、現代のキッチンは「家族全員が使う空間」へと変化しています。
現代のキッチンの特徴
✅ 料理だけでなく、備蓄庫の役割を持つ
✅ 家族全員が利用する場
✅ 家具のようにデザインされる傾向
この変化を理解することで、お客様のライフスタイルに合ったキッチン設計の提案が可能になります。
2. 台所とキッチンの違いとは?
「台所」は昔ながらの独立した料理専用空間を指します。一方、「キッチン」はリビングやダイニングと一体化した開放的な空間を指し、現代の住宅では一般的です。
台所の特徴
料理をする人のみが使用
クローズドな空間
勝手口など外部とつながる設計が多い
キッチンの特徴
家族全員が利用
リビングやダイニングとつながるオープンな設計
インテリアの一部としてデザインされる
最近では、豪邸などでクローズドキッチン(独立型キッチン)の需要も高まっています。
これは、生活感を見せたくないお客様向けの選択肢として提案できるポイントです。
3. キッチンの風水(奇門・裏奇門)を考慮する
一部のお客様は、風水を気にされることがあります。
特に「奇門(北東)」や「裏奇門(南西)」に水回りを配置することを避けたいという要望を持つ方もいます。
✅ 風水の考え方
奇門(北東) …日当たりが悪く、換気が悪いとされる
裏奇門(南西) …日当たりが強すぎるため、水回りには不向き
しかし、現代の住宅は24時間換気や冷蔵庫の普及により、昔ほど風水の影響を受けにくくなっています。
お客様に風水の背景を説明することで、納得感を持ってもらうことが大切です。
4. キッチンの配置と動線計画
効率的なキッチンレイアウトを考える際には、冷蔵庫・シンク・コンロの配置が重要です。
料理の流れに沿って適切に配置することで、作業効率を向上させます。
理想的な作業動線(ワークトライアングル)
冷蔵庫 → 食材を取り出す
シンク → 洗う
まな板 → 切る
コンロ → 調理する
冷蔵庫の位置は、料理をする人だけでなく、飲み物を取りに来る家族にも配慮する必要があります。
シンクの近くに配置することで、効率的な動線を確保できます。
5. キッチンの種類と特徴
キッチンの形状にはさまざまな種類があります。
それぞれの特徴を理解し、お客様に最適な選択肢を提案しましょう。
キッチンの種類
✅ I型キッチン …最もコストが安く、コンパクトな設計
✅ L型キッチン …作業スペースが広く、料理好きな方に人気
✅ ペニンシュラ型キッチン …壁に接した対面型で、日本で最も普及
✅ アイランド型キッチン …完全に独立した開放的なデザイン
✅ 2型(セパレート)キッチン …シンクとコンロを分けることで動線を工夫
6. キッチン設備の選び方
キッチンの設計では、冷蔵庫や家電の配置も重要です。
収納スペースを確保するために、事前にお客様の家電の寸法をヒアリングし、設計に反映させましょう。
✅ ヒアリングポイント
冷蔵庫のサイズ
家電(電子レンジ、炊飯器、トースターなど)の寸法
収納する調理器具の量
この情報を基に、収納計画を作成し、設計段階で問題を回避します。
7. キッチンのデザインとインテリア性
近年のキッチンは、家具のようにデザインされる傾向にあります。
✅ デザインのトレンド
取っ手のないフラットな収納
木目調や石目調の仕上げ
生活感を抑えたシンプルなデザイン
キッチンを「リビングやダイニングの延長」と考え、空間に統一感を持たせるデザインが人気です。
まとめ:プロとしての提案力を高める
現代のキッチン設計では、単なる設備選びではなく、ライフスタイルに合った提案が求められます。
✅ お客様の生活スタイルをヒアリングし、最適なキッチンを提案する
✅ 風水や動線計画を考慮し、納得感のある設計を行う
✅ 家電の寸法や収納計画を事前に把握し、後のトラブルを防ぐ
✅ キッチンのデザインを家具の一部として捉え、空間全体を考える
このような視点を持ち、他社と差別化できる提案を行うことで、お客様からの信頼を獲得できます。
建築プロとして、常に最新のトレンドを学び、お客様により良い住宅を提供していきましょう!


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