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【間接照明知りたきゃコレ】工務店が押さえる間接照明の教科書

  • 執筆者の写真: 純 小池
    純 小池
  • 5月7日
  • 読了時間: 3分

更新日:5月12日

― 後部照明・光天井・高照明を “提案できる言葉” で ―


目次


  1. なぜ今、間接照明なのか


  2. 提案前に必ず押さえる3つの鉄則


  3. 間接照明主要3タイプと設計ノウハウ


    • 3‑1. 後部照明(コーブライト)


    • 3‑2. 光天井(ルミナスシーリング)


    • 3‑3. 高照明(バランスライト)


  4. よく聞かれるQ&Aと失敗例


  5. まとめ|“知らないワード”より“分かる説明”を


1. なぜ今、間接照明なのか


  • 施主の9割が「雰囲気を出したい」と要望


  • SNS・ホテルライクブームで“光の演出”が標準化


  • ダウンライトだけでは差別化できない時代


Point!かっこいい=満足ではありません。
反射面(天井・壁・床)の素材・色・高さを読み取り、光が“魅力的に跳ねる”設計がプロの仕事です。

2. 提案前に必ず押さえる3つの鉄則

鉄則

内容

あるあるNG

① 用語よりイメージ

お客様が知らない単語を連呼しない。


図・写真・ジェスチャーで伝える

「後部照明で行きましょう!」だけで終わる

② 反射計画=照明計画

明るさは光源のW数より反射率で決まる。


天井:白系なら◎、濃色なら光量×1.5

黒天井+弱LED→夜が暗い…

③ メリットと


デメリットセット

眩惑・熱こもり・メンテ性・火災リスクまで説明

“映えます”しか言わない


3. 間接照明 主要3タイプ と設計ノウハウ


(図面寸法の目安は末尾でDL可)


3‑1. 後部照明(コーブライト)


項目

解説

構造

天井際に“棚(コーブ)”を造作し、器具を隠して天井面をバウンドさせる

狙える効果

天井を高く見せ、空間全体を柔らかく包む

最小寸法

器具奥行 90 mm|照射口高さ 60 mm

設計TIP

- 器具が“見えない角度”を試算


- 天井クロスは白~淡色で反射UP

よくあるミス

器具が見え、昼間でも“蛍光灯丸見え”。必ず隠し壁を立てる

💬 お客様への一言例「灯りは見えず、天井そのものが光るのでホテルのような開放感になります。」

3‑2. 光天井(ルミナスシーリング)





構造

天井を一段掘り込み、内部にLEDバーを等間隔配置。


表面を乳半アクリル/ポリカ板でフラット化

効果

ダウンライトゼロでも均一照度。ミニマル & “無影” のデザイン

寸法

掘り込み深さ 120 mm 以上/器具ピッチ ~300 mm

材料選定

乳半板は熱に強いツインカーボ推奨。


広面発光でLED熱こもりに注意 → 換気スリットを設ける

ミス例

配光ムラ → 器具間隔が広すぎ/白板が薄すぎ

💬 提案トーク「照明器具ゼロのフラット天井にしつつ、夜は天井自体が“灯り”になるので生活感が消えます。」

3‑3. 高照明(バランスライト)


(天井から30〜50 cm下げた“垂れ壁”に仕込むタイプ)


項目

詳細

強み

壁面アートやアクセントクロスを垂直方向にドラマチックに強調

設計寸法

垂れ壁高さ 350~450 mm|照射角 30°

注意

- 器具下の家具・カーテンとの干渉チェック


- 熱源近接やホコリ堆積→火災リスク

💬 お客様への一言例「テレビ背面に高照明を入れると、画面のグレアが減って目が疲れにくくなります。」

4. よく聞かれる Q&A と失敗例

Q

プロ回答

1. LEDテープは何lm/m?

後部照明で天井反射なら 600〜800 lm/m を基準に

2. 交換メンテは?

器具交換用に点検口 or マグネット固定を必ず用意

3. 本当に流行りだけ?

間接照明は古典的手法。器具のLED化で施工が簡単になり再ブーム。

実例失敗・垂れ壁内に配線ダクトを入れず延長コード施工 → 年次点検で発熱が見つかり全面やり直し・黒天井+300 lm/mテープ → 暗すぎて追加ダウンライト発注(原価割れ)

5. まとめ ― “知らないワード”より“分かる説明”を


  1. 間接照明=反射計画。素材・色とワンセットで考える


  2. 用語を並べるのではなく 図解+効果+注意点 まで示して信頼を得る


  3. 3タイプ(後部・光天井・高照明)の寸法ルールを押さえれば実施設計は怖くない

 
 
 

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