【必読】本当に注文住宅に向いているお客様はどんなタイプ?
- 純 小池
- 4月8日
- 読了時間: 7分
工務店が知っておきたい「家づくりに不向きな7種類のお客様」と対処法
はじめに
「注文住宅の契約をしてはみたものの、打ち合わせが一向に進まない。」
「どんな提案をしても“わからない・任せる”ばかりで、建物が完成しても不満が出そう……」
工務店・設計事務所など、建築のプロとして数多くの施主様とやり取りしていると、「このお客様、本当に注文住宅でいいのかな……?」と感じるケースがありませんか?
実は注文住宅は“誰でも”満足できる商品ではないのです。
今回は、接客経験7000組以上の視点から、家づくりに不向きな7種類のお客様を解説します。
さらに「不向き」に見えるお客様と、どう接していくべきか?
うまく対処し、トラブルを回避するためのポイントをご紹介します。
この記事を読むと…
注文住宅に向いていないお客様の特徴を把握できる
契約後に起きやすいトラブルを未然に防ぐ考え方がわかる
お客様を適切に誘導し、工務店のブランドイメージを守るヒントが得られる
1. 注文住宅に「向いていない」お客様とは?
そもそも注文住宅は“お客様のこだわり”を具現化する商品。
こだわりや要望があるからこそ、お客様自身が打ち合わせに積極的に関わり、家づくりを楽しめるわけです。
一方で “どんな家でもいい”“お任せ” という姿勢だと、完成時に「こんなはずじゃなかった」という不満が起こりやすい。
2. 家づくりに不向きな7種類のお客様
(1) こだわりがない(ほぼ興味がない)
特徴
提案に対して「ええ、なんでもいいですよ」と返ってくる
細部に質問しても「うーん、特にないです」
予算も性能もとりあえず“普通”
リスク・トラブル例
設計中はトラブルが少なくても、完成後にSNSや友人宅との比較で不満を言われる
「もっと高性能にしてほしかった」「なんか違う」といった漠然とした不満が生まれ、クレーム化
対処法
注文住宅に向いていない理由を丁寧に説明し、別の選択肢(モデルハウスや建売、マンション等)を勧める
どうしても注文住宅を希望する場合は、家づくりの勉強や要望整理の時間をしっかり持ってもらう
(2) 全てプロ任せで丸投げする
特徴
「プロなんだからお任せでしょ」「全部やって」と細部の打ち合わせを放棄
追加費用の説明をしても「そこも任せるよ」で終わる
完成間近や引き渡し時に「想像と違う!」「こんな高額になるなんて聞いていない」と急に不満を爆発させる
リスク・トラブル例
打ち合わせが少ない分、工務店側も詳細を説明しきれず完成後に大揉め
追加費用や仕様変更を理解してもらえず「話が違う」クレームに発展
対処法
「任せるだけでは後悔が残ります」と事前に念押し
「要望の優先順位」「費用と性能のバランス」を、具体的事例を見せつつ一緒に検討する時間を確保
それでも丸投げ体質が変わらないなら、契約を慎重に判断
(3) “お客様は神様”思考が強い
特徴
「自分がお金を出しているんだから、なんでも対応して当然」
営業・設計・現場監督すべてを振り回し、スケジュールを無視して要望を変更しまくる
照明や設備、インテリアの変更など、引き渡し直前まで執拗に要求
リスク・トラブル例
現場の混乱により工期が延びたり、追加工事費用が膨れあがる
想定外の時間とコストを消耗し、社員のモチベーションも急降下
対処法
早期段階で「ここから変更すると◯◯万円追加」「工期が◯日延びる」など、コスト・スケジュールの見える化を徹底
必要に応じて、「当社の建築基準」「契約上のルール」を再説明し、無制限の仕様変更は不可である旨を伝える
(4) 自分だけの情報だけを過信する
特徴
ネットやSNSの情報を鵜呑みにし、根拠不明な理論を主張
実績あるプロの提案に対して「ネットでは違うって書いてあった」と拒否
「隣の奥さんが○○って言ってた」「YouTubeで△△って言ってたから性能低いよね?」など外部情報ばかり
リスク・トラブル例
話がかみ合わず、設計段階が遅延
最終的に施工後「結局ネットの意見と違うんだけど」と不満表明
対処法
根拠となる数値データ、専門家の客観的なエビデンスを提示
「複数の情報ソースを総合して判断すること」の重要性を説明
それでも不信感が拭えない場合は、早期に契約辞退を検討する
(5) 要望と予算が大きくかけ離れている
特徴
「耐震等級3は当然、断熱も最高ランク、でも予算は◯◯万円しか出せません!」
大空間&ハイグレード設備なのに坪単価はローコスト希望
省エネ補助金や住宅ローン減税などを過大に期待している
リスク・トラブル例
見積もりが出るたびに「高すぎる!詐欺だ!」と交渉が泥沼化
性能や設備を大幅ダウンさせてもまだ予算に届かない
対処法
早い段階で“要望=費用”を明確に紐づけ、「どこを諦めるか」「予算を増やすか」二択を提示
設計プランを何度も作り直す前に、要望優先度の整理を徹底
どうしても無理なら、予算内で完成している建売や中古+リノベも検討してもらう
(6) 決断力がない/家族間で意見がバラバラ
特徴
夫婦や家族間で相談が全くまとまっていない
「ご主人は平屋、奥様は2階建」「親は二世帯を希望、子世帯は嫌がる」など大前提の条件から食い違う
打ち合わせが進むたび「また話し合い直します」→永遠に結論出ず
リスク・トラブル例
打ち合わせ回数が増え、工務店の負荷が肥大
どの程度歩み寄るか分からず、最終的に「こんなに時間かけたのにやめたい」「ローン審査期限過ぎました」など計画破綻
対処法
家族間の意見調整の場を設けてもらい、最低限の合意を形成してからプラン作成
夫婦・親子など参加メンバーを必ず揃え、話が横道に逸れないよう進行をコントロール
時間ばかり浪費するケースは、契約前に「家族会議が終わってから改めて相談を」など打ち切りも検討
(7)スケジュールや打ち合わせを極端に嫌がる
特徴
忙しいのは仕方ないが、打ち合わせのアポイントが毎回キャンセル
契約直後から「来週までにプラン仕上げて!」「なるべく早く建てて」と無茶を言う
一方でこちらが指定した確認事項には全然答えない
リスク・トラブル例
設計や仕様が曖昧なまま進行→現場着工後に大規模変更で手戻り大量発生
工期がどんどん延び、追加予算もかさんで関係破綻
対処法
打ち合わせスケジュールをあらかじめ“工程表”として提示
「いつまでに何を決めないと工期が延びるか」を“見える化”
早めに「2回連続キャンセルや返信なし」などのルールを決める
3. 家づくりに不向きなお客様が現れたときの対応
まずはカウンセリング
施主の状況・要望・家族関係・予算をヒアリングし、「そもそも注文住宅が適正か」冷静に見極める
事例・データを見せ、別の選択肢を提案
「モデルハウス」「建売」「中古リフォーム」「マンション」などを提示し、施主の負担を下げる
ルールと基準を明確に
あやふやなまま進めると、完成後に「言ってない」「聞いてない」問題が勃発
打ち合わせや契約書で“追加費用の計算方法”“納期の確定時期”を慎重に設定
無理な契約は避ける
自社の社員が疲弊してまで引き受ける契約は得にならない
場合によってはやんわり断るのも、長期的に見て工務店が“地元で独占企業”になるための一つの選択
まとめ:不向きなお客様に振り回されず、工務店の価値を高めよう
注文住宅は“こだわりや積極的な関与がある施主”向けの商品
こだわりゼロや完全丸投げ、家族の意見不一致など「そもそも注文住宅に向いていない」施主を見抜くことが大切
もし不向きだと分かったら、別の選択肢を丁寧に提示し、トラブルを最小化するのが“プロの仕事”
工務店としては、お客様全員を契約したい気持ちもありますが、無理な案件ほどトラブルリスクが高く、社内リソースを消耗します。
良質な施主と強固な信頼関係を築き、“地元で独占企業” と呼ばれる存在を目指すためにも、ぜひ今回の「家づくりに向いていないお客様」の特徴を参考に、上手に誘導・判断してみてください。
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