【建築プロ】フローリングの基礎知識で失敗しない家づくり!
- 純 小池
- 2月10日
- 読了時間: 4分
建築プロが知るべきフローリングの基礎知識
フローリングは、住宅のデザインや居住性に大きな影響を与える重要な要素です。
しかし、お客様の中には「無垢フローリングが最強!」と信じている方も多く、適切な説明をしないと契約に影響を及ぼすこともあります。
そこで今回は、工務店の建築プロとして知っておくべきフローリングの種類と、それぞれのメリット・デメリットを整理しました。
1. フローリングの種類と特徴
① 無垢フローリング
特徴
天然木をそのまま使用したフローリング。
高級感があり、自然素材ならではの温かみが魅力。
メリット:
本物の木ならではの質感と風合い
経年変化を楽しめる
表面を削ることで再生可能
デメリット:
湿度による伸縮や反りが発生しやすい
床暖房との相性が悪い
価格が高め
お客様への説明ポイント
「無垢フローリングはとても魅力的ですが、湿度の影響で反りや割れが生じる可能性があります。そのため、施工方法やメンテナンスが重要になります。」
② 突板フローリング(挽き板フローリング)
特徴
表面に天然木の薄い板(0.3mm~3mm程度)を張り、芯材に合板を使用したフローリング。
メリット
無垢フローリングのような見た目と質感
反りや割れが少なく、施工しやすい
比較的コストが抑えられる
デメリット
無垢材と比べると経年変化が少ない
表面の突板が薄いため、削り直しが難しい
お客様への説明ポイント:
突板フローリングは無垢材の風合いを残しながら、反りや割れのリスクを抑えたバランスの取れた商品です。
③ シート(プリント)フローリング
特徴
木目を印刷したシートを合板の上に貼ったもの。
メリット
価格が安い
デザインのバリエーションが豊富
傷や汚れに強いものが多い
デメリット
表面が削れた場合、補修が難しい
見た目が本物の木と比べると劣る
お客様への説明ポイント
最近のプリントフローリングは技術が進化し、本物と見分けがつかないほど精巧なデザインが増えています。
価格を抑えつつ、おしゃれな空間を演出できます。
2. フローリングの貼り方と提案
フローリングの貼り方も、空間の印象を大きく左右します。
適切な貼り方を提案することで、お客様の満足度を高めることができます。
① 定尺張り
均等な長さのフローリングを整然と並べる最も一般的な貼り方。
スッキリとした印象を与え、どんなインテリアにも馴染みやすい。
② 乱尺張り
様々な長さのフローリングをランダムに配置。
天然木の風合いを強調し、ナチュラルな雰囲気を演出。
③ ヘリンボーン張り
フローリングを斜めに組み合わせたデザイン
ヨーロッパのクラシックな雰囲気を醸し出し、高級感がアップ。
施工が難しく、コストが高くなる点に注意。
お客様への説明ポイント
フローリングの貼り方を変えるだけで、お部屋の印象が大きく変わります。
デザインの好みや予算に応じてご提案いたします。
3. フローリングの選び方のポイント
1. ライフスタイルを考慮する
ペットを飼っている → 傷に強いタイプを選ぶ
小さなお子様がいる → クッション性があるものを選ぶ
2. 施工環境に合ったものを選ぶ
床暖房を導入するなら、無垢フローリングは避ける
湿気の多いエリアでは、膨張・収縮しにくい素材を選ぶ
3. メンテナンス性を確認する
定期的なメンテナンスができるか?
将来的に張り替えや補修のしやすさも考慮
まとめ
フローリングは「見た目」だけでなく、「耐久性」「メンテナンス性」「コスト」などを総合的に判断して選ぶことが重要です。
特に、無垢フローリングはお客様の憧れが強い一方で、デメリットも大きいため、メリットとデメリットをバランスよく説明し、最適な選択肢を提案しましょう。
✅ 建築プロとしてのポイント
お客様の希望を頭ごなしに否定せず、メリット・デメリットを伝える
施工環境やライフスタイルに応じた適切な提案をする
フローリングの貼り方もデザインの一部として提案する
これらを実践することで、「この人はプロだ!」とお客様に信頼されるようになります。
ぜひ、日々の業務に活かしてください!


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