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【工務店・建築プロ必見】“窓デザイン”で家の価値と満足度を高める方法

  • 執筆者の写真: 純 小池
    純 小池
  • 4月1日
  • 読了時間: 6分

家づくりにおいて「窓」の設計は、デザイン面だけでなく資産価値やお客様の満足度を大きく左右します。


窓一つで採光・換気はもちろん、建物全体の印象や使い勝手が変わるからです。しかし実際には、


  • 「お客様に“おしゃれ”な窓の提案をしたいけど、具体的にどう言語化すればいいのか…」


  • 「法規上どうしても必要な窓以外は、お客様の要望通りにつけて問題ないよね?」


といった悩みや疑問を抱える工務店・建築のプロが少なくありません。


そこで本記事では、窓の意味や配置のコツ、そして窓の形状ごとの特徴を“言語化”してお客様に伝える方法をご紹介します。


より満足度の高いプラン提案を行い、将来的な資産価値を守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。


目次


  1. 窓の重要性はデザインだけじゃない――窓がもたらす資産価値


  1. 【基礎知識】窓の“形状”ごとのデザイン効果


    • (1) 横長の窓


    • (2) 縦長の窓


    • (3) 引き違い窓


  2. お客様への“言語化”ポイント――実践で使える解説例


  3. まとめ:窓をうまく使って「デザイン×資産価値」を高めよう


1. 窓の重要性はデザインだけじゃない――窓がもたらす資産価値


● 窓をなくして“何度申請”にしていませんか?


建築確認を通すうえで、採光計算や換気計算、排煙計算など、法律上必要な窓があります。


お客様が「この部屋に窓はいらない」と提案されても、安易に従ってしまうと法的に“居室”ではなく“納戸扱い”になり、将来の資産価値に影響するケースが多々あります。


例えば、3LDKとして認識していた家が、実は2LDK+納戸でしか販売できないとなれば、中古売却時の価格に大きな差が出るかもしれません。


お客様は「今だけ」を想定しがちですが、将来の住み替えや不動産売買を見据え、必要な窓はしっかり確保しておくべきです。


● “デザイン性”と“法規・資産価値”は両立させる


「外からの見た目を重視したい」「道路側は開放的に」など、お客様からの要望はさまざまですが、ただ希望を聞くだけでは後々トラブルに


  • 道路面に大開口の窓 → プライバシー確保が難しく、結局カーテンを閉めっぱなし


  • 法規上必要な窓を外してしまう → 不動産としての評価ダウン


工務店としてはデザインを活かしつつ、資産価値・機能面も守れるよう、プロの視点で窓を提案することが大切になります。


2. 【基礎知識】窓の“形状”ごとのデザイン効果


(1) 横長の窓


● 空間を“優しい光”で包む


天井近くに細長い窓を設けると、直接的な眩しさを避けながらも室内全体をほんのり照らすことが可能です。特に寝室や子ども部屋など、落ち着いた空間におすすめ。


  • 光が柔らかく入り込むので、朝の目覚めが快適に。


  • 壁面上部に設けることでプライバシーも保ちやすい。


● 水平方向を強調しておしゃれに


横長の窓を取り入れると、水平ラインが強調され、洗練された印象を演出できます。


  • 外観では軒やバルコニーの水平ラインと合わせると、美しい統一感を出しやすい。


  • 内観では横長のTVボードや棚と組み合わせると、さらにモダンで広がりのある空間に。


(2) 縦長の窓


● 強い光が一直線に奥まで届く


縦長の窓は一度入った光が奥へ奥へと伸び、ドラマチックな明るさを生み出しやすい形状です。


連続で配置すると、神秘的・象徴的な雰囲気すら与えます。


  • 光が強くなる分、ロールスクリーンやカーテンなどの調光対策は念入りに。


  • 外観では縦長スリット窓が並ぶと、国会議事堂や教会のような“重厚感・荘厳さ”を感じさせる。


● 垂直ラインで豪華さを演出


縦のラインは“高さ”を意識させるため、豪華さや特別感を出しやすいのが特徴。


  • 天井高を活かした縦長の窓を複数連ねる → 視線が上方向に誘導され、開放的かつ上質なイメージに。


(3) 引き違い窓


● 法規的にも取り回しがしやすい“万能窓”


日本では採光・換気・排煙計算をクリアしやすいため、引き違い窓を使うケースが最も多いのが現状です。


腰高や吐き出し窓として大きな開口部を確保しやすく、プランニングしやすい形状ともいえます。


● プライバシー確保や外観のバランスに注意


  • 道路側に大きく引き違い窓を配置すると、外からの視線が気になり、結局いつもカーテンを閉めたまま…という事態に。


  • 外構(塀・フェンス・植栽)で目隠しする、もしくは開口部の向きを変えるなどで対策しないと、「使いにくい家」と思われかねません。


3. お客様への“言語化”ポイント――実践で使える解説例


● 「デザイン」+「機能」の両面を伝える


  1. 横長の窓 → “優しい光” + “水平ライン”強調


    • 「朝日や昼の光が室内全体にフワッと回りやすいので、落ち着いた空間になります」


    • 「窓のラインと家具の水平ラインが揃うと、おしゃれで統一感が増しますよ」


  2. 縦長の窓 → “ダイナミックな光” + “荘厳な雰囲気”


    • 「光が奥まで届くので、日中は明るく開放的になります」


    • 「教会のように縦のラインが強調されるので、特別感や豪華さを演出できます」


  3. 引き違い窓 → “万能”だが“プライバシー”要注意


    • 「採光・換気面で使いやすく、日本の住宅では一般的ですが、人目が気になる面には注意が必要です」


    • 「道路側の場合、外構を工夫したり曇りガラスを部分採用するなどしてプライバシーを保つ方法があります」


● 「資産価値への影響」を明確にする


  • 「将来、家を売却するときに“居室”として認められない部屋があると、3LDK→2LDK扱いになりかねません」


  • 「窓の配置が不適切だと、ずっとカーテン閉めっぱなしで“実質使っていない”状態に。お客様が不便を感じたり、価値が下がる可能性があります」


お客様にとって、「日常の暮らしやすさ」「家のリセールバリュー」は重要な要素。


“なぜその配置にするのか?”をストーリー立てて説明することで、“デザインのプロ”として信頼感が高まります。


4. まとめ:窓をうまく使って「デザイン×資産価値」を高めよう


  1. 窓はただの採光・換気装置ではなく、“家の価値”を左右する重要要素


  2. 形状ごとに「光の入り方」「空間演出」「印象づくり」が違うので、設計段階でしっかり言語化し、お客様をリードする


  3. 道路側の大きな開口部など、プライバシーや実用面のリスクを検討して適切に配置する


  4. お客様の要望通りに窓を削りすぎると法規上“納戸”扱いになる恐れも。将来の資産価値を守る提案が信頼を生む


家づくりの満足度を大きく左右する窓設計。


工務店・建築プロとしては、「デザイン性×法規×資産価値」をトータルに考慮し、最適解を導くのが腕の見せ所です。


「なぜ、ここにこの形状の窓がいいのか」をしっかりと言語化してお客様に提案すれば、「頼れるプロ」として選ばれる存在になれるでしょう。


ぜひ今回ご紹介したポイントを、次回のプランニングやお客様との打ち合わせに活かしてみてください。


結果として、お客様の暮らしやすさと満足度、そして家の資産価値を高められるはずです。

 
 
 

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