【完全保存版】お客様の要望が定まらない理由と、プロが実践すべきヒアリング手法とは?
- 純 小池
- 3月28日
- 読了時間: 4分
「要望がコロコロ変わる…」は建築の現場あるある
「お客様の要望が毎回違っていて困る…」
「ヒアリングしても提案すると違うと言われる…」
そんな経験、工務店や設計士の皆さんなら一度はあるのではないでしょうか?
実はこれ、あなたの“能力不足”ではありません。
多くの場合、「お客様が自分の要望をうまく整理できていない」ことが原因です。
プロに必要なのは「深掘り力」
建築のプロに求められるのは、「言われたことをカタチにする力」ではなく、**「言われていないことを引き出す力」=“深掘りヒアリング”**です。
お客様は「家を建てるのは初めて」。プロである私たちのように、完成形を具体的にイメージすることはできません。
そのため、
お客様自身が要望をうまく言語化できない
話しているうちに新しい希望が出てくる
家づくりが進むたびに不安や迷いが生じる
こういった状態に陥ってしまうのです。
要望=将来の資産価値を左右する“設計図”
家づくりの“要望”とは単なる希望のリストではなく、お客様の暮らしを支える“将来の資産”を左右する設計図です。
間取りやデザインが「なんとなく」で決まってしまえば、将来的にその住宅は売却や賃貸にも不利になる可能性があります。
プロである私たちは、要望の背景にある「暮らしの価値観」や「将来像」まで見抜く必要があります。
「ヒマワリの絵」のたとえで分かる、ヒアリングの落とし穴
この動画で紹介された印象的なたとえ話が「ヒマワリの絵」の話。
「綺麗な花を描いて」と言われたら人によってバラにもコスモスにもなる。
しかし「夏に咲くヒマワリを描いて」と言われれば、イメージはグッと具体化する。
つまり、お客様が「ヒマワリを望んでいる」のに、言葉では「綺麗な花」としか伝えてこない場合、私たちがそれを聞き出し、正確に描く力が必要なのです。
情報の少ない建物は、売れない
現代の家づくりは“情報の時代”です。
Amazonで商品を買う時、情報が少ないと不安になりますよね?
建物もまったく同じです。
断熱性能(UA値・C値)や自然素材の使用、施工会社の実績、コンセプトなど、情報量が多い=安心感があるという時代です。
中古住宅であっても、詳細な情報があれば高く売れます。
逆に、どれだけ性能が良くても情報が不足していれば、買い手はつきません。
世界に一つの住宅をつくるプロとしての自覚
「うちは大量生産じゃないし、同じ建物なんてひとつもない」と言う方もいるでしょう。
その通りです。
敷地の条件
周辺環境
予算
使う材料
お客様の暮らし方
すべてが異なれば、その建物は世界で一つだけのオーダーメイド住宅です。
その唯一無二の建物を正しくつくるには、ヒアリングで「唯一無二の要望」を正確に汲み取る必要があります。
実践すべきヒアリング手法「家づくりシンキング」
アミーゴ建築ゼミでは、独自のヒアリングシート「家づくりシンキング」を用いて、下記のポイントを徹底的に引き出します。
LDKの広さ、光の入り方、素材の希望
家族ごとの要望(夫婦それぞれ記入)
水回りや寝室のこだわり
車・バイク・自転車の台数、車種
将来的な暮らしの変化への備え
そして、「聞かれなかったから言わなかった」を無くすことがプロの使命です。
お客様が自分でも気づいていない“潜在的なニーズ”を丁寧に聞き出し、整理し、「あ、それ欲しかった!」と気づいてもらうことが、信頼につながります。
まとめ:聞き出す力が、提案力になる
ヒアリングは“聞く”だけでなく、“掘り下げる”ことが重要
お客様の要望=将来の資産価値
ヒアリングが弱いと、要望のズレがクレーム・失注の原因になる
情報量が多い建物は、資産価値も高まり、顧客満足も高まる
要望を整理し、価値に変える力。それこそが、**これからの建築プロに必要な「新しい武器」**です。
この内容は、PAK SYSTEMの有料コンテンツや、リアルセミナー・ウェビナーでもさらに詳しく解説しています。
本気でヒアリング力を高めたい方は、ぜひ参加・ご相談ください。


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