【予算オーバー対策】追加見積もりで信頼を落とさない!― 工務店・設計士が知っておくべき “見積もりオーバー対処術”14の鉄則 ―
- 純 小池
- 4月29日
- 読了時間: 3分
この記事で分かること
見積もりオーバーが起きる根本原因と“事前に防ぐ”トークスクリプト
追加見積もり提示 ➡ 減額調整までの 4ステップ実践フロー
VA/CD の使い分け・優先順位ヒアリング術・プロとしての“個人意見”の伝え方
キーワード:注文住宅 予算調整・追加見積もり・実施設計・VA提案・工務店 接客術
1. 追加見積もりは「不信感製造マシン」
見積もり調整期間=お客様の不安MAX期間「騙されていないか?」「本当に払えるのか?」
――この心理を理解せずに“コテ先の値引き提案”をすると、一気に信頼を失います。
2. そもそもオーバーを防ぐ 事前アナウンス3か条
実施設計前 に必ず宣言
「追加要望は必ず出ます。都度“追加見積もり”を提示します」
見積もりパターンは 一括提示が鉄板
本体見積+追加見積をセットで出し、全体像を初回で共有
オーバー時の流れを 先に図解 で説明
優先順位付け → 金額確認 → VA/CD → 最終確認
3. 追加見積もり提示後の 4ステップ実践フロー
STEP | やること | 成功ポイント |
① 優先順位の再設定 | お客様に「絶対残す・できれば残す・削って良い」を並べ替えてもらう | プロが“熱量”を感じた項目は必ず確認&助言 |
② 金額を見て判断 | 優先順位表に追加金額を書き込み、低順位は即CD(削除) | 数字→視覚化で“サッと決められる” |
③ VA提案 | 高順位だけど高額…は代替案を提示 例)海外タイル→国産類似品/造作→既製品+カスタム | VA=価値を落とさず価格ダウン |
④ 第三者目線チェック | 「自分が施主じゃなかったら、この家はアリ?」を再質問 | 冷静な視点で“やっぱり不要”を洗い出す |
4. プロが必ず入れる +αのひと言(個人意見)
「私が建て主なら… フローリングを優先し、キッチンはグレードダウンします」
“会社として”ではなく“ひとりの人間として”の意見を添えると、お客様は「あ、この人は味方だ」と感じ、不安が一気に和らぎます。
5. VAとCDを混同しない!
用語 | 目的 | 例 | NGパターン |
VA(Value Engineering) | 価値を保ったままコスト減 | 無垢フローリング→挽き板複合材、メリット・デメリットを説明 | 説明せずにただ安い材料に変更 |
CD(Cost Down) | 項目そのものを削除 | FIX窓を無くす/軒天照明をカット | お客様が後で「やっぱり欲しかった…」と後悔 |
6. よくある“失敗パターン”と処方箋
失敗例 | 原因 | 処方箋 |
「全部必要」と言われ削れない | 優先順位を曖昧にしたまま金額提示 | 先に順位付け→金額の順を死守 |
値引き要求が止まらない | VA提案がなく単なる “値切り勝負” になっている | メリット比較表で価値を見せる |
担当者不信で白紙化 | プロの“個人意見”を隠してマニュアル対応 | 正直トーク+デメリットも開示 |
7. まとめ:追加見積もりは“削る”より“導く”
追加は必ず出る と先に言う
優先順位 → 金額 → VA/CD → 第三者チェック の4ステップ
プロの個人的見解 を添えて信頼を強化
これで「聞いてない!値引きして!」は激減します。ぜひ自社マニュアルに取り入れてみてください。
注文住宅の予算調整で悩む工務店様へオンライン講座/リアル勉強会 で実践ロープレを行っています。
「現場で即使えるトークを習得したい」「VA提案の引き出しを増やしたい」そんな方はお気軽にお問い合わせください。


コメント