【オシャレは照明です】“間接照明で失敗しない”7つの鉄則─クレーム0&単価アップを同時に叶えるプロの照明設計術─
- 純 小池
- 5月15日
- 読了時間: 3分
1. はじめに
「お客様が“間接照明!間接照明!”とうるさいけど、コストも手間も増えるし割に合わない…」
そんな声を毎日のように耳にします。
しかし――
意味のない間接照明=クレームの火種
意味のある間接照明=粗利UP+ファン化装置
本稿では アミーゴ小池(建築コンサル)が語った全ノウハウを、工務店・設計者向けに再編集。
“反射”を制す者は照明を制す
この原理を押さえれば、職人泣かせの面倒な間接照明が武器になります。
2. 間接照明=「反射照明」だと腹落ちさせよ
✕ よくある誤解 | 〇 正しい理解 |
光源を隠せばおしゃれになる | 反射面が主役。 光源は単なる脇役 |
明るさを足すための照明 | 雰囲気・立体感を演出する補助光 |
どこに入れても同じ | 壁・天井・床の色と凹凸で効果が激変 |
覚え書き
窓面は反射ゼロ。窓際に仕込むのは“意味のない間接照明”の代表例。
暗色やツルツル面は反射率が低く、光を殺す。
凹凸のあるタイル・左官・木貼りは陰影を生み、ワンランク上の演出が可能。
3. 施工前に必ず確認!7つの鉄則
鉄則 | 内容 | 失敗例クレーム |
① 反射面を先に決める | 照らしたい“面”を図面に赤ペンでマーキング | ガラス面/黒壁でまったく映えない |
② 目的を明確化 | 補助光? 演出? ナイトライト? | 「暗い」「まぶしい」の板挟み |
③ 主照明との照度バランス | 間接:主照明=1:3〜1:5が目安 | 間接が強すぎて作業不能 |
④ 電源位置と調光回路 | 調光器は必須、スイッチ系統は用途別に | 一括ON/OFFで雰囲気台無し |
⑤ 寸法クリアランス | 下地:50 mm以上、光源奥行:75 mm以上 | LED器具が入らず大工手戻り |
⑥ 施工手順の段取り | 大工→電気→クロスの順を共有 | 「めんどくさい」と職人トラブル |
⑦ メンテナンス経路 | LED交換不要と言われても点検口確保 | 故障時に天井解体コース |
4. 代表的な間接照明ディテール3種と推奨寸法
寸法は“最小値”。
器具サイズ・放熱距離を確認して必ず調整してください。
4‑1 コーブ照明(天井ふかし)
溝奥行:90 mm
溝高さ:120 mm
光源:ライン型LED 2700〜3000 K
4‑2 コーニス照明(壁洗い)
溝奥行:70 mm
ライン中心〜壁:150 mm
壁:凹凸タイルで陰影UP
4‑3 バッフル照明(フロート収納下)
床〜光源:100 mm
奥行:60 mm
人感センサー連動でナイトライト兼用
5. 提案トーク例(そのまま使える)
「窓面に間接照明を入れても、光が外へ逃げてしまい“意味のない間接照明”になります。
代わりにソファ背面のエコカラットをライトアップすると、夜はホテルライク、昼はエッジの陰影で立体感が際立ちますよ」
6. 施工原価と見積り目安
施工場所 | LEDテープ+電材 | 造作手間 | 設計・監理 | 粗利率目標 |
リビング・コーブ 4 m | ¥15,000 | ¥18,000 | ¥5,000 | 40 % |
玄関ニッチ 1 m | ¥4,000 | ¥6,000 | ¥3,000 | 35 % |
7. まとめ|“意味のない間接照明”をなくすチェックリスト
反射面の色・素材を確認
窓/黒壁/鏡面に向けていないか
凹凸素材で陰影演出できるか
寸法は器具+放熱+施工順でOKか
調光&スイッチ系統を分けたか
5つ全クリアでクレーム0&リピート紹介率アップ!


コメント