「この施主は要注意?」家づくりに不向きなお客様への対処法!プロとしてのアプローチとは?
- 純 小池
- 4月8日
- 読了時間: 6分
工務店経営をしていると、さまざまな施主との出会いがあります。
誠実に家づくりを進めてくれる施主もいれば、正直「このお客様、本当に注文住宅向き?」と感じる方も。
本記事では、「家づくりに不向きなNG施主」 のタイプを明確にし、それぞれへの対処法を解説します。社内で共有し、トラブルリスクの軽減にお役立てください。
目次
家づくりに「不向き」なお客様が存在する理由
家づくりに不向きなNG施主とその対処法
こだわりがゼロで興味がない
全部“プロ任せ”で丸投げ
妥協できない・すべて完璧を要求
勉強を一切しない・情報を取りに行かない
(他のタイプも参照)
NG施主とのやり取りで工務店が意識すべきポイント
1. 家づくりに「不向き」なお客様が存在する理由
注文住宅は施主の“こだわり”をカタチにする商品
注文住宅は、施主の要望や理想を実現するサービス。
しかし、何らかの理由で「こだわりを持たない」または「全て丸投げ」といった施主は、注文住宅の本質と噛み合わない場合が多い。
トラブルの予防と工務店経営の安定
適切な顧客を見極め、向かない施主は丁寧に誘導・お断り するほうが、結果的にトラブル予防と会社の利益に繋がる。
どんな施主でも受注しようとすると、追加工事のモレ・要望のブレ・クレームなどが増え、社員・現場が疲弊しがち。
2. 家づくりに不向きなNG施主とその対処法
(1) こだわりがゼロで興味がない
特徴
どんな間取りや設備を提案しても「いいですよ」「何でもいいです」。
最終的に完成した家を見て「想像と違った…」と不満をこぼすリスク大。
リスク・トラブル例
“とりあえず”契約し、完成後に「もっと高性能がよかった」とSNS等で不満を発信。
紹介や口コミも期待できず、会社のブランド向上に繋がらない。
対処法
こだわりがないなら建売住宅やマンションでも十分 という選択肢を提示。
どうしても注文住宅を希望なら、最初に「家づくり勉強会」などへ誘導し “最低限の要望” を引き出すステップが必須。
(2) 全部“プロ任せ”で丸投げ
特徴
「予算も含めて全部お任せ」「あとは勝手に作って」。
打合せもほぼ不参加で、完成後「話が違う」と騒ぐケース。
リスク・トラブル例
追加要望・仕様変更などを都度説明しても「プロなんだから…」という姿勢で費用面を理解してもらえない。
最終的に「こんなに金額かかるとは聞いてない」と大揉め。
対処法
“任せきりでは後悔します” と丁寧に告知。
家づくりは施主のライフスタイル次第で変わる部分が大きいと伝え、費用・性能・デザインの優先度を一緒に整理する。
丸投げ姿勢が変わらない場合、トラブル必至として契約を慎重に判断する。
(3) 妥協できない・すべて完璧を要求
特徴
追加要望を際限なく出してくるが、予算は徹底的に抑えたい。
「自分は一切妥協しない」と公言し、設計変更→費用増→再変更を繰り返す。
リスク・トラブル例
実施設計後に大幅オーバー見積もりを見てパニック状態に。
「もうお金なんかない」「設計が悪い!」と責任転嫁される。
対処法
“注文住宅は妥協の連続” と契約前から説明。
こだわりすぎる部分と費用バランスの比較表を出して選択を迫る。
妥協ゼロ主義ならハイコストになる覚悟が必要と念押しする。
(4) 勉強を一切しない・情報を取りに行かない
特徴
公務店がどんな提案をしても「わからない」「想像つかない」。
要望をまとめないので、毎回打ち合わせが空転。
リスク・トラブル例
引き渡し後に「思った感じと違う」「こんなの聞いてない」と不満が噴出。
お客様も理解不足ゆえ、クレーム対応が長期化する恐れ。
対処法
お客様の生活スタイルを踏まえた“具体的シーン”の提案(例:お子様2人が走り回るLDK、ペット飼育など)。
“この機能を選ぶと、家事がラクになる”“無垢材だとお手入れ頻度が増える”など “実感”できる形で説明。
1つひとつ噛み砕いて導くことで顧客満足度UP→SNSで好意的に拡散されるケースも多い。
(5) その他の要注意タイプ
・要望と予算が大幅に乖離
例:最高性能・最新設備を望むが「ローコストで!」
→打合せを重ねてもプランと見積もりが合わず破談リスク。
・家族・親子で意見が真逆
例:夫は平屋希望、妻は2階建推し、親は二世帯…
→打合せのたびに議論が混乱し、設計が進まない。
・スケジュールを嫌がり、やたら期限を急かす
例:打合せキャンセル多発→翌週にはプラン完成を要求
→現場や社内の混乱を呼ぶ。
これらも結果的に「家づくりが向いていない」可能性が高いため、早期に対応策や別商品提案を考慮。
3. NG施主とのやり取りで工務店が意識すべきポイント
契約前に“家づくりとは何か”を理解してもらう
注文住宅は施主の積極的参加が前提。
打合せ頻度・費用と性能の関係など、基本をしっかり伝える。
要望を“具体化”するためのカウンセリング
“なんとなく”から抜け出すよう、生活スタイルや将来像、優先度の聞き取りを徹底。
プロ任せ・勉強不足のお客様には、資料や事例を見せて意思決定をサポート。
追加要望や変更のコスト・工期を見える化
「ここをこだわると+◯◯万円、1週間延びます」と即答できる体制を社内整備。
予算オーバーや妥協拒否による“設計やり直し無限ループ”を避ける。
場合によっては別の選択肢を勧める勇気
建売、マンション、モデルプランなど、施主にとって楽で満足度が高い商品が別にあるかも。
無理に契約しないほうが工務店のブランディングを守る。
まとめ:施主も工務店も後悔しないために“NG施主”を先に見極めよう
注文住宅は“自由度が高い反面、施主の主体的な関与が必須”という商品。
こだわりゼロ・全て丸投げ・妥協しない… など「家づくりに不向きなお客様」は、完成後も不満が爆発しやすい。
トラブルを未然に防ぎ、かつ会社の負荷を減らすためにも、契約前から見極め、丁寧に誘導&場合によってはお断りも検討しましょう。
NG施主を避け、顧客満足度の高い施主との家づくりを続ければ、“会社ブランドアップ”や“口コミ効果”による受注増加が期待できます。
社員・現場みんながハッピーになる施工体制を目指しましょう。
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